「自分の収入がどれくらいの水準なのか?」というのを知るのには、他人の収入を知るのがわかりやすいですよね。
そして、いろんな収入ランクの人を見ていると、自分の収入の目標ができたりします。まあ、結局は自分の価値観次第なんですけどね。
あなたは、街中を歩いていて大きな家を見かけたり、高そうな車に乗る人を見かけたり、高そうな服や時計を身に着けていたりすると、「あ、あの人金持ちなんだな~。いいな~。」とか思いませんか?
僕もちょっとは思います。
しかし。高いものを持っているからといって金持ちとは限りません。ブランド物なんて手持ちのお金がなくても借金すれば買えますし、車とかもそんな感じです。家はそれなりの収入がないと高額なローンは組めませんが。
そして、いくら収入が高くても、実際は儲かっていない人も結構います。
そこで今回は、「本当に儲かっている人の定義」を書きます。この定義を知っていれば、高収入な人よりも儲かる人間になれるかもしれません。
「高収入=安定」ではない
さあ、世の中には高収入にも関わらず、経済状況が不安定な人がいます。
一般的に、「お金がたくさんあれば安定してるでしょ」みたいな見方がありますが、実際はそうではない。
これはとても大事なポイントを見落としているからです。
「プロの視点で世界を見るために!これを読めればお金を読める」でも書きましたが、世の中の全ての会社、個人などのお金の流れ・経済状況は「財務諸表」というもので表にすることができます。
「お金がたくさんあれば安定してるでしょ」という考えは、財務諸表の「収益」と「資産」の項目しか見ていないんです。「支出」と「負債」も見なければいけないのに。
つまり、いくら収入が多かろうと、いくら資産を持っていようと、「支出」や「負債」が多くては実際は儲からないんです。これは「利益」の考え方です。
企業の話をすると、「売上高が業界ナンバーワン!」みたいな企業があっても、経費がやたら多いと利益は出ない。負債がやたら多いと倒産の危険がある。
むしろ、売上が少ないけど経費が少ない企業のほうが利益が多い場合なんて普通にある。 負債が少ない企業のほうが健全なことは当たり前。
利益が多いということは、それだけ「実際の儲け」が多いということ。売上高が100億円で利益が1億ぐらいしかない企業よりも、売上高が50億円で利益が5億円の企業のほうがずっと儲かっているんです。
これは個人でも同じこと。高収入な割にはその分のほとんどを支出として消えさせている。こんな人は「利益」がなく、実際は儲かっていないんです。
月収100万円で毎月95万円使う人よりも、月収30万円で毎月15万使う人のほうが実質的な儲けは高く、経済的に安定しています。
高収入でも、浪費癖が強ければ儲からないし、経済的な不安定さは悪化していく。高収入な人ってローンとか好きな気がしますから。
利益を生まなければ企業は存続できない。そして、利益を生まなければ人の経済状況もよくならないんです。
個人の利益という考え方、そして純資産
なんだかひがみっぽい記事な気がしてきましたが、これは重要なことです。
もしあなたが高収入になろうとも、その分支出を増やすようでは経済的に安定は遠い存在のままでしょう。 それよりも、「利益」を増やすことに集中する。「利益」は「収入-支出」で求めます。個人の収入を、企業の売上高と同じように捉えるとわかりやすいです。家賃や食費、ローンなどの支出は、企業の経費と同じ。収入から支出を引けば、その月の利益が求められる。
なぜ利益が大事なのか?それは「純資産」というものが関係してきます。
経済的に安定するには、「収入と支出のバランス」と「資産と負債のバランス」が整う必要があります。利益が高くても、負債がとても多いと破産の危機はすぐそこにある。
資産から負債を引いたものが「純資産」です。これがマイナスだと、債務超過でとても危険な状態。
「純資産」がプラスで、その値が大きいほど経済的な安定度は高い。
純資産を増やすには、利益を出し続けるしかない。
つまり、利益を出し、それに伴って資産を増やしていかないと経済的な安定は得られないのです。
いくら収入が多くても、実質的な儲けである「利益」を出せない人は経済的に弱い。それでいてせっせと負債を作っていたら最悪です。
だから、自分よりも収入が多い人がいても悔しがる必要もない。その人よりも利益が高ければ、あなたのほうが儲かっているし、経済的に強いんです。
そして、しっかり貯金して、投資などでも資産を増やしていけばその差は歴然。
「高収入=金持ち」ではないんです。高収入でも、高支出ではその人は経済的に弱い。売上高が高いくせに利益が出せない企業と同じです。
「収入と支出のバランスを大切に」なんて言いますが、欲に任せて支出を増やすのはやめましょう。それでは経済的に強くなることはできないし、せっかくの収入が台無しになってしまうかもしれないからです。
あなたも是非「利益」と「純資産」を気にしてみて下さい。