「考えることはとても難しい作業だ。だからこそ、こんなにも多くの人がそれをやらないのだ」
かのヘンリー・フォード氏は、こんなことを言っていました。
しかし、人間は考える生き物です。
問題なのは「何を考えるのか?」ということ。考え方で、人の人生は大きく変わっていくのです。
「今日何をして遊ぶか?」ということをたくさん考える人もいれば、世界の経済に頭を悩ませてばかりの人もいる。今月のお小遣いのことばかりを考える人もいれば、将来の明確プランを考える人もいる。家族や恋人の欠点ばかりを考える人もいれば、長所ばかりを考える人もいる。
人は、何を考えているかで行動が変わります。考え方が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、人生が変わる。
人生で何かを成し遂げるためには、しっかり考えないといけません。それが安定した人生であっても、成功を目指すことであっても、明確なプランを考え、実行しないといけない。その中で失敗もあり、問題を解決することを考えながら、成果を得る。
人生に深い関わりがあるお金のことも、きちんと考えないといけない。「お小遣いが少ない!もっと増えないかな~」とかを考えるよりも、もっと大事なことがある。
毎日を何となく過ごしていても、人はいろんなことを考えます。しかし、多くの人は将来の明確なプランを考えようとしない。何のプランも持たずに、いざ大きな問題が起こってから「どうしよう…」では遅いんです。
短期的思考、長期的思考
短期的に物事を考えるか、長期的に物事を考えるかで、将来的に得られる成果も、日々の行動も変わってきます。お金のことも、仕事も、ビジネスも、人生も、「成果を上げられる習慣」を身に付けないと、成果は生まれない。習慣を変えるには、多くの人が普段考えていることとは、考えるべきことが全く違うんです。
まず、何事においてもそうですが、長期的に考えることが必要になる。 お金も、投資も、仕事も、ビジネスも、人生も。
なのに、学生時代が終わる頃には就職先を考えるが、その先は明確なプランを持とうとしないかったり、今月分のお金のやりくりは考えるが、将来的なマネープランを考えなかったり、目先の株価は気にするが、長期的な企業の投資価値を考えなかったりする人が非常に多い。中には、日ごろからいろいろ考えて将来のプランを決める人もいます。そういう人こそ、自分なりの成果を生み出すというもの。
自分がたどり着きたい、「こうなりたい」という姿を明確に考え、プランを作って実行していく人もいる。ただ何となく生きて、昨日のことや明日のこと、週末の予定ばかりを考え、将来的なプランを考えない人もいる。
どちらの生き方、考え方も、間違いではありません。生き方なんて、その人の自由ですし。
でも、自分が望むものが明確になっている人とそうでない人とでは、得られる成果が全く違う。
自分が望むものが明確になっていて、「そうなりたい!」と強く思っている人は、将来的なビジョンを持っています。多くの時間を努力に使います。だからこそ、成果を得られる。
反対に、望むものが明確じゃなかったり、「なんとなくこうなりたいな~」としか考えない人は、ビジョンを持たない。ビジョンがないから、そこに向かうための行動も生まれない。行動が生まれないなら、成果を得られるはずもない。
ただ、どちらの場合も毎日いろんなことを考えているんです。違うのは、「何を考えているか?」それだけ。
自分がなりたい姿、目標を長期的に考える人は、そこから逆算して「日々何をすればいいか?」が明確になる。だからこそ努力できるし、それによって成果も得られる可能性も高くなる。
身の回りの小さなことや、目先のことばかりに目が行く人は、この考え方が生まれない。たまに何となく考えることはあっても、それを明確なビジョンにはしない。だからこそ、成果は生まれず、愚痴や文句ばかりを言うようになる。
両者の大きな違いは、思考が長期的か、短期的か、ということ。自分の人生をしっかりと考え、価値観と照らし合わせながら、将来なりたい姿を明確にする。目先の問題や楽しみばかりを考え、人生のことや将来の自分のこと、家族のこと、恋人のことを明確に考えない。
投資でもビジネスでもそうなんですが、短期的な思考からは大きな成果を上げることは非常に難しい。目先の利益を追求する投機家やビジネスマンは、将来的な大きな利益を逃してしまう。
人生でも、これは同じことなんです。目先の楽しみばかりを優先して、将来の大きな人生の楽しみを犠牲にするか、今月のお金のことばかりを考えて、将来の豊かな生活を犠牲にするか。
確かに、目先のことで大事なこともたくさんあります。だからと言って、将来の大事な人生を無視していいというわけではない。考え方は、バランスが大事なんです。
考えて生きる
人は毎日、いろんなことを考えています。しかし、考え方によっては、将来得られるものも大きく変わってくる。
つまり、考え方も考えないといけないんです。自分が短期的思考ばかりするのか、どうなのか。あなたが日々考えていることに意識を集中してみて下さい。あなたは、どんなことを考えるのに多くの時間を使っているでしょうか?
短期的なことばかり考えるようなら、少しでも長期的な思考をしてみて下さい。例えば、一年後の自分の姿。あなたが一年後何をしているのか、また、本当はどうありたいのかなど。少しでも将来のことを考えるようにしてみて下さい。仕事でも、お金のことでも、恋のことでも。そうして、慣れてきたら何年後、何十年後の「理想の状態」を考え、そのためには何が必要か、何が足りないのか、それらを埋めるには何をすればいいのかを考える。不思議なことに、これを深く考えていくと、「今日何をすればいいのか?」がわかってきます。それがわかったら、今日から「将来の理想に向けた行動」ができるわけです。
でも、短期的な考え方が大事な場合もあります。あなたの家にゴキブリが出現したとして「いや待てよ、ここにゴキブリがいるということは、まだたくさんいるはずだ。とりあえず放置して、駆除業者と日程を相談しよう」なんて考えないですよね?さっさと退治しましょう!
短期的思考と長期的思考を使い分けるには、「問題がどれくらい緊急か?」というのを見極めなければなりません。
これからの長い人生のことは、短期的に考えても先は見えない。だったら、これは長期的思考が必要になる。
恋人と喧嘩したり、身内が事故にあったりしたら、すぐに駆けつけたり、会ったりしないといけない。こういうことは、緊急性が高いので短期的思考で充分。
長期も短期も、「どちらが全て」というわけじゃない。大切なのは、状況や問題を正しく判断して、それに合わせた思考が必要になることを認識しておくこと。どちらかに偏ってばかりいると「頭が固い奴」というレッテルを貼られますよ。
とにかく、考えるんです。何が大切か、何がしたいか、今何をするべきか、自分はどうありたいのか。これをちゃんと考えることができれば、自然と長期的思考と短期的思考の使い分けはできるものです。物事の本質は変わりませんから。
家計をどうにかしたいというときも、それが長期的な問題か、短期的な問題かを知ること。家計はずっと続くので、それは長期的な問題になります。「お金がない」といって、お金を借りても、それが根本的な解決にはならない。もっと大きな問題を考え、将来の理想的な状態を考えないといけないのに、短期的な問題の解決ばかりをしていては、問題が更に大きくなるだけ。
お金も、仕事も、ビジネスも、投資も、人生も、物事の本質を理解すれば、それに合った思考ができるもの。あとは、現実としっかり向き合うことです。
しっかりと考える生き方をしていると、多くの人が目を背けてしまうようなことと向き合わなければいけないときが必ずあります。多くの人は、そのことにしっかり向き合わないから、考えることを放棄してしまうんでしょう。
でも、将来の目標を追い求めたり、問題を解決するには、多くの困難と向き合わなければならない。恐れという感情が、そのことから自分を逃がしてしまうんです。
しかし、考えれば、多くのことの解決策やプランは思いつくものです。大切なのは、簡単に「無理だ」と諦めないこと。不思議なことに、日々いろんな計画とかを考えていると、あるとき突然アイディアが浮かぶことがあります。人間の脳は不思議な存在ですね。
考えることで行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、人生が変わる。
考えることは、大変な作業です。しかし、少しずつ実践していけば、「考える生き方」というのは身に付くものなんです。