「金持ち父さん、貧乏父さん」や「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」などの「金持ち父さんシリーズ」の本は、ベストセラーにもなったので、読んだことのある方は多いんじゃないでしょうか。
「金持ち父さん」をキッカケに、「お金のことを知りたい」とか、「投資を始めた」とか「起業を考えている」という方も結構いらっしゃると思います。
金持ち父さんの本は、ただ売れたというだけではなく、とても大切なことを多くの方に伝えていったのではないでしょうか。僕も、お金のことを学び始めたキッカケが「金持ち父さん、貧乏父さん」でした。
読んだことのない方には是非読んでいただきたい「金持ち父さん」ですが、ここで、僕なりに「金持ち父さんが教えてくれたこと」をまとめたいと思います。
1、お金のことを考えるキッカケ
「お金のことを話すのはいやらしい」とか「お金を儲けるのは汚いこと」のように、いまいち意味のわからない風習が未だに存在していますが、そういうものは自分にとってマイナスにしか働きません。社会で生きるために必要な「お金」を、自分から遠ざけてどうするつもりなのでしょうか?まあ、価値観は人それぞれなのでそこまで言及はしませんが。
お金は、社会に出ると必ず必要なものなのに、学校では教えてくれません。
学校で教えてもらわないから、社会に出てもなかなか学ぶ機会がない。社会に出ると、自分の仕事や生活のことでいっぱいになってしまいますからね。
やはり、何かしらのキッカケがないと、「お金のことを学ぼう」とはなりにくいんだと思います。
そんなときにふいに現れた「金持ち父さん」。金持ち父さんシリーズの著者、ロバート・キヨサキ氏は、「そんなに宣伝をしていないのに、ベストセラーにまでなった。その要因の多くは、口コミの力だ」みたいなことを言っていました。それだけ、世の中に与えたインパクトは大きかったんでしょう。
「金持ちはどうして金持ちなのか?」
「貧乏人はどうして貧乏なのか?」
そんなことを知ってしまうと、行動せずにはいられなくなる。金持ち父さんが多くの方に与えたキッカケは、とても大きなものだと思います。
2、ファイナンシャルリテラシーの重要性
金持ち父さんシリーズの中で、よく「ファイナンシャルリテラシーを身に付けろ」のような表現が出てきます。
お金のことを知らないと、お金に強くなれるわけがない。だから、経済的に豊かになりたかったら、ファイナンシャルリテラシーを身に付けなさい、ということでしょうね。
ファイナンシャルリテラシーの意味って、「お金のことを理解し、活用する能力」みたいな感じだと思います。
お金を稼ぎ、使うだけでは金持ちにはなれない。お金を活用し、お金を自分のために働かせることが、金持ちのやっていることだ。
「貧乏人や中流の人はお金のために働くが、金持ちはお金を自分のために働かせる」という言葉が、頭にずっと残っています。
要は、「収益性の資産を多く持てば、経済的に自由になれる」ってことなんですが、ファイナンシャルリテラシーがないと、こんな基本的なこともわからない。
それでは、いつまでも貧乏人からは抜け出せない。
ファイナンシャルリテラシーは、お金のことを学び、実践していくことで身に付いていくものです。
3、会計の知識の重要性
金持ち父さんが教えてくれたことで、個人的にはこれが一番大きいと思います。
金持ち父さんシリーズの中では、簡略化した財務諸表の図を使って、お金の流れを教えてくれる場面が多々あります。視覚的に財務諸表を理解することによって、お金の流れが読めるようになる。これが一番大きなことだと思っています。
世の中のお金の流れは全て、「貸借対照表」と「損益計算書」などの「財務諸表」で表すことができます。逆に言うと、財務諸表を頭の中で使って考えることができれば、世の中のお金の流れを理解できるということ。
これがわかると、「本当は誰が儲けていて、誰が損をしているのか」というのが瞬時に理解でき、いちいち会計の知識がないために騙されることもなくなってきます。
また、会計の知識があれば、「どうすれば自分のところにお金の流れを向けられるのか?」という理論も組み立てられるようになる。
会計の知識は、社会で生きる上で必要不可欠な知識だと思います。そのことを教えてくれた金持ち父さんシリーズは、素晴らしい貢献をしたと言えるでしょう。
「金持ち父さん、貧乏父さん」を読むと、会計の知識を大まかに知ることができると思います。その上で「簿記」を勉強すると、会計のことを更に理解できる。簿記を学んだ上で、また「金持ち父さん、貧乏父さん」を読むと、言っていることがより理解できるようになる。
個人的に、会計の知識を学ぶ教材として、「金持ち父さん、貧乏父さん」はおすすめです。
簿記も、3級の知識で充分。それで基本は抑えられますから。簿記3級って、結構簡単ですよ。
会計の知識を身に付け、会計の感覚がわかれば、世の中のお金の流れをよく理解できるようになります。このスキルは、これからはとても重要になるでしょう。
4、「お金を自分のために働かせる」という選択
先ほども書きましたが、「貧乏人や中流の人はお金のために働くが、金持ちはお金を自分のために働かせる」という、重要なこと。
おそらく、流れのままに生きていると、「会社に就職し、給料を貰い、その中から支出や貯金をしていく」という選択肢しか選べない方が多くいると思います。
しかし、金持ち父さんに言わせると、「会社のために働くには、限界がある。お金を自分のために働かせることができれば、可能な限りいくらでも稼ぐことができる」のような感じでした。
会社のために働くということは、自分の時間と能力を売るということです。一人の時間には、限界がある。体力や精神力にだって、限界はある。それでは、能力を充分に発揮できないかもしれない。
「お金を自分のために働かせる」という選択肢と違うところは、「仕組みを作るかどうか」だと思います。
お金のために働くには、自分が働き続けるしかない。
でも、お金を自分のために働かせることができれば、自分が働かなくてもお金が入ってくる。投資をしたり、自分のビジネスを持ったりすることによって、「お金が入ってくる仕組み」ができる。仕組みを作るには時間が掛かるが、一度仕組みを作ってしまえば、継続的なキャッシュフローが生まれる。そうすることによって、また仕組みを作る余裕ができる。これを繰り返していくと、「仕組みから入ってくるお金」が多くなり、経済的に自由になれる。
これが金持ち父さんの理論です。要は、「お金のために働くには自分の力しか使えないが、仕組みを作るために働けば複利の力が使え、経済的に自由になれる」といった感じでしょう。
この働き方の違いことは、「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」で詳しく語られています。
この「お金を自分のために働かせる」という選択肢は、多くの方に新たな可能性を与えたんでしょうね。
金持ち父さんを読んだら
「知識が未来を変える!お金に強くなれる本たち」の中では、「金持ち父さん、貧乏父さん」と「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」の2冊を紹介しているのですが、基本的にこの2冊を抑えておけば金持ち父さんの考え方はだいたい理解できると思います。
読んだことのない方は、是非読んでみて下さい。
そこから投資に興味を持ったのなら、「金持ち父さんの投資ガイド 入門編」を読んでみるとか、起業やビジネスに興味を持ったのなら、「金持ち父さんの起業する前に読む本」や「金持ち父さんの投資ガイド 上級編」あたりを読んでみるといいと思います。
しかし、この「金持ち父さん」という本、「これを読んだら金持ちになれる」という類の本ではないと思います。金持ち父さんが勧めている選択は、主に「不動産投資」と「起業」です。多分、多くの方にとっては、読んだ後に「で、結局何をすればいいの?」 みたいになるんじゃないでしょうか?
僕が思うに、金持ち父さんは「キッカケを与えてくれる本」です。不動産投資や起業のことはよく書かれていますが、具体的な始め方とか、どういう手続きをすればいいのかとかを教えてくれるわけではありません。教えてくれるのは、考え方だけです。
だから、そのキッカケをどう活かすかが大事。金持ち父さんをキッカケに、真剣に不動産投資を学ぶとか、起業を本格的に考えるとか。
合理的な考え方は、金持ち父さんが教えてくれます。あとは、その考え方を基にして、どういう知識を学び、行動していくかが大事。
僕なんかは、金持ち父さんをキッカケに、世界最高の投資家ウォーレン・バフェット氏の考え方に出会い、本格的に株式投資を始めたり、お金のことを更に学んで、こうして誰かに伝えていくというような選択をしています。
道は、人それぞれです。金持ち父さんをキッカケに不動産投資を始めた方もいますし、ビジネスに目覚めた方もいる。
「金持ち父さん」が与えてくれるのは、あくまでもキッカケです。「金持ち父さんを読んだら終わり」ではなくて、そこからどんどん学びに繋げていくのが「金持ち父さんの教えの活かし方」なんだと思います。