世間の平均年収を調べれば、あなたの年収がどれくらいのポジションなのかがわかる。年収を他人と比べれば、周りの人に比べてあなたの年収がどれくらいなのかがわかる。
あなたの年収を他人や平均値などと比較すれば、あなたの年収の多さが世間的にどんなものなのかがわかりますよね。しかし、こうして年収を比較することに意味はあるんでしょうか?
確かに、自分自身の年収の世間的なポジションを知ることで得られるものもあるでしょう。「オレの年収は平均より高いぞ」と感じ、優越感に浸れたり、「オレの年収はこんなものか」 と感じ、落胆したり。頑張ろうと思うキッカケにもなれば、「オレなんか・・・」と思ってしまうキッカケにもなる。
そこから年収を増やす努力に繋がれば、現実的な成果が得られるかもしれない。成果が得られるなら、年収を比較することにも価値があったことになりますよね。ただ、「他人や平均よりも年収が低い」と落胆するのはちょっと違うと思います。
年収は、比較する必要もないと思うんです。もちろん、比較したければすればいいし、したくないならしなければいい。考えるべきなのは、「あなたにとって、他人よりも年収が高いか低いかを知ることに意味があるのか?」というところです。
年収の高さよりも大切なことはないのか
あなたが満足できる生活とはどんなものですか?
お金が豊富にあり、何でも買えるような生活?好きな仕事ができて、毎日が楽しくなるような生活?自由な時間が豊富にあり、大切な人たちとの時間を持てる生活?
人の願望とは、人それぞれ違うものですよね。要は、収入の良し悪しよりも、「あなたが満足できる生活を送れているか?」ということのほうが大事なんじゃないかということです。
年収が高く、他人や平均値と比較してもなかなか負けることはない。でも、仕事が非常に忙しく、プライベートな時間や、家族や恋人、友人と過ごす時間がほとんどない。
こういう場合、「年収の高さ」 に満足感を覚える方なら、それだけで満足できるかもしれません。お金を稼ぐことに執着し、お金を稼ぐことこそが全てだと思っている。稼ぐことができれば、他のものを犠牲にしてもかまわない。
では、プライベートな時間や、家族などと過ごす時間に満足感を強く感じる方だったらどうでしょう?
確かに年収は高いし、いい生活はできるかもしれない。でも、仕事が忙しいために家族や友人などと過ごす時間を持てない。本当は仕事以外にも大切なことがあるのに、仕事が忙しすぎて何もできない。
こういう場合は、いくら年収が高くても、その人が満足できる生活を送ることは難しいかもしれない。年収が高い、稼ぎが多いというのは、確かにいいことかもしれません。しかし、あなたが本当に大切にしたいものを大切にできていなければ、「年収が高い」とか「年収が低い」とかは、どうでもいい問題に成り下がるわけです。
あなたが満足できる生活を見付けよう
他人よりも年収が低いからといって、劣等感を感じる必要もないと思います。年収を比較することよりも、「どれくらいの満足感を持って生活できているか?」を比べたほうが、ずっと生産的な気がするんです。
あなたの年収が誰かより低くても、あなたがその人よりも満足できる生活を送れているのなら、劣等感を感じる必要もない。年収が高いのに不満が多い方もいるんです。あなたが生活に満足できる範囲なら、年収が平均よりも低いことに何の意味もない。ただ数字的に「年収が平均よりも低い」というだけですから。
だからこそ、平均年収と自分の年収を比べることよりも、「自分はどんな生活に満足感を感じるのか?」ということを考えたほうがいいでしょう。そのほうが目標も明確になるし、行動も具体的になる。満足感を意識したほうが生産的というのは、こういうことです。
物欲が強く、ブランド物やら何やらをたくさん買いたい。そのためなら稼ぐことを惜しまない。そういう方なら、年収を上げるために努力すればいい。
物欲はそんなにないし、のんびり過ごすほうが好き。そういう方は、そこそこの年収があり、比較的自由な時間が持てる仕事をすれば満足できるかもしれない。
人は、それぞれ違った価値観を持っています。稼ぐことが全てのように思っている方もいれば、そうじゃない方もいる。立っているステージが違うのに、年収を比較して感情を揺さぶられるのは違うと思うんです。
満足できる生活を具体的にしよう
お金との付き合い方も、価値観が大切です。働きたくないと思っている方は、「不労所得」という言葉に飛びつきやすい。給料がなくてもやりたいほどの仕事を持っている方は、不労所得にそこまで関心を示さないかもしれない。
あなたの価値観が、あなたが満足できる生活をデザインしてくれます。年収が高いとか低いとか比較している暇があるなら、あなたの価値観をもう一度よく見直して、あなたが満足できる生活というものをデザインしてみるといいでしょう。
どんな家に住みたいのか、どんな地域に住みたいのか。仕事はどれくらいしたいのか、どんな仕事をしたいのか。どんな物を買い、どんな食事をしたいのか。どんな遊びをしたいのか、どんな旅行をしたいのか。のんびりするのが好きなのか、忙しいのが好きなのか。などなど。
読み書きの仕事で能力を発揮できる人と、話したり聞いたりすることで能力を発揮できる人がいるように、人それぞれで立ちたいステージ、輝けるステージというものは違うんです。
あなたが満足できる生活が、他の人には不快なものかもしれない。そんなことは当たり前に起きることです。だから、「他人がどう」とか「世間がどう」とか「常識がどう」とか関係ない。他人に迷惑をかけたり、他人を傷つけたりしないことは大事ですが。
とにかく、あなたが満足できる生活、理想の生活というものを、紙に書いたりしてできるだけ具体的にしてみて下さい。これをやっていくと、「あ、これを実現するにはこれくらいの年収が必要だな」や「こういう仕事をやりたいな」というのが見えてくるでしょう。
そこに、他人や平均と比較する必要のない、「あなたが満足できる年収」というものが存在するんです。
生き方や生活を考えるときに、他人と比較することにそこまで意味はない。参考にするというのはいいことですが、比較して優越感に浸ったり、劣等感を感じたりするのはちょっと違う。あなたらしい生き方を追求することに集中していれば、他人や世間と比較している暇なんかないと思います。
年収の高さだけでは、あなたの人生の価値は測れない。あなたが満足でき、あなたらしく生きられる道を歩むことにこそ、あなたの人生の価値はあるものなんじゃないかと思います。