「貧乏な人や中流の人はお金のために働くが、金持ちはお金を自分のために働かせる」
ベストセラーになった「金持ち父さん、貧乏父さん」の中で紹介されている考え方ですが、これはなかなか面白い。要は、働き方の違いで金持ちになれるかそうでないかが決まるということです。このことについては、「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」という本の中で詳しく語られています。
「経済的自由」なんて聞くと、多くの人は興味を持つでしょうね。働かなくても収入を得られる。そうすれば、嫌な仕事を続ける必要もないし、遊べる時間だって多くなる。
確かに、経済的自由になれればそんなことも可能でしょう。何を望んで経済的自由を目指すのかは人それぞれですし、そもそも経済的自由に興味がない人だっている。好きな仕事ができているなら、経済的自由に興味を持たないかもしれません。
ただ、この考え方を知っておいて損はないと思います。働き方の違いによる収入の入り方の違い、働き方を変える考え方、その実践方法。経済的自由を目指すかどうかはあなた次第ですが、この考えは信仰するものでも、毛嫌いするものでもないでしょう。多くの考え方に触れることで得られるものはありますし、食わず嫌いというのもいただけない。
一つの考え方に縛られすぎるのは問題ですが、考え方を理解しないで嫌うのも問題。何かを知ることで、何かが変わるかもしれない。あなたの行動を決めるのは、あなただけなんですから。
経済的自由とはどういうものか
金持ち父さんの本の中で定義されている経済的自由とは、「働かなくてもずっと生活ができるような経済状態」のことでしょう。
あなたが働くのをやめたとします。そうすると、あなたはどれくらいの期間生活していけるでしょうか?この期間は、貯蓄額、資産額などで変わってきます。月々の支出が20万円で、貯蓄額が400万円あり、他の資産を持っていないなら、この人は2年間は生活できることになる。
つまり、この期間が「永久的」な状態を、経済的自由と呼んでいるわけです。
もしかしたら、かなりの貯蓄額があれば経済的自由になれるかもしれない。永久的とは言っても、人の一生に期限はあるわけですから。それに、経済的自由と定義できるような状態でも、支出が多く、資産を食い潰してしまうようでは、本当の意味での経済的自由とは呼べないでしょう。
多くのお金を稼ぐのはそこそこ難しいですが、多くのお金を使うのは簡単なもの。結局のところ、自分自身をコントロールするのは非常に重要になるわけです。
働く資産を持っているか
「資産は、あなたのポケットにお金を入れてくれる。負債は、あなたのポケットからお金を取っていく」
金持ち父さんの本の中で定義されている「資産と負債」は、簿記で習う「資産と負債」とは違ったものです。持っているだけで収入が入ってくる収益性のある資産だけを「資産」と呼び、それ以外は負債と呼んでいる。
この考え方によると、持ち家はローンの支払いやその他の修繕費や維持費などであなたからお金を取っていくだけで、収入を生み出すことはないので「負債」ということになります。帳簿上だと、持ち家は資産なんですが。
金持ち父さんが定義する負債を持てば持つほど、あなたのお金は奪われていくので、経済的自由とは程遠い状態になっていく。反対に、収益性のある資産を多く持っていれば持っているほど不労所得的な収入が増えていき、経済的自由に近づくことができる。そういう理屈です。
働き方の違いによる収入の入り方の違い
従業員として働くということは、仕組みのために働くということです。誰かが作り出した会社などの仕組みがあり、その仕組みを稼動させるために労力や時間を使う。その貢献が「給料」として還元される。
金持ち父さんの考え方だと、こういう「お金のために働く働き方」をしていたのでは金持ちになれないということ。一人の労力や時間には必ず限界があるので、従業員として働いて大きな収入を得るには、自分自身の価値を高めて、それを活かすことができ、かつ適切な評価をしてくれる仕組みの中で働く。こういうことが必要になるでしょう。
「お金を自分のために働かせる働き方」というのは、仕組みを作り、仕組みを所有することを目指す働き方のことです。お金のために働くと、自分一人の力に頼ることになる。(まあ、本質的には組織として動くことにはなるんですが。従業員も、個人事業主も、一人で仕事をするわけじゃないですよね。)
しかし、仕組みを作り出すことができれば、複利の力が使える。多くの仕事を一人でこなすのではなく、雇用契約などを使って多くの人に分散してやってもらう。そうすると、自分は仕組みの改善や向上のために働けたり、新たな仕組みを作るために働ける。多くの人やお金に働いてもらう仕組みを作ることによって、その貢献に見合った収入を得られるし、仕組みが働いてくれるので、ひたすら頑張って働く必要もない。そういう理屈でしょう。
この働き方の違いは、雇用される側か、雇用する側かで考えるとわかりやすい。雇用されるということは、誰かの仕組みを稼動させるために働くということ。雇用するということは、誰かに仕組みを動かしてもらうために働くということ。
この考え方を聞くと、「金持ちになりたかったら社長になれ」と言われているように感じるかもしれません。
でも、本質的にはそうじゃないと思います。要は、お金を得るためだけに働くか、お金の流れを作るために働くかということでしょう。
実際に何をするのか
では、お金を自分のために働かせて、経済的自由になるためには、具体的に何をすればいいのか?
無責任かもしれませんが、そんなことはあなた自身で考えて下さい。「金持ち父さん、貧乏父さん 」や「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント 」を読んでも、そこまで具体的な方法は書いていません。まあ、「不動産投資」と「起業」のことが書かれていますが。
実際のところ、これらの本を読んでも、「じゃあ、何をすればいいの?」と思うかもしれません。僕の場合は、この本に触発されて株式投資を始めました。
しかし、多くのヒントは与えてくれます。答えは、あなた自身で見つけるもの。僕の知り合いには、金持ち父さんの本を読んで不動産投資を始め、そこそこのキャッシュフローを生み出せるようになった人もいます。
起業を考えると、答えはあなただけしか見つけられない。何をビジネスとし、何でお金を生み出すのか。どんな仕組みを作り出し、どんなふうに働かせるのか。一つの仕組みに集中するのか、多くの仕組みを作り出すのか。
何で起業するかなんて、本当にアイディア次第だと思います。小売業界のように売るビジネスをするのか、それともメーカーになるのか、物ではなくサービスを売るのか、Googleやfacebookなどのようにネットを使うのか。売るにしても、どんな商品を売るのか、一つの店舗にするのか、直営店を増やすのか、それともフランチャイズにするのか。
ビジネスの仕組みを作り、起業することとなると、選択肢がとても多いんです。まあ、自由だからこそ面白く、自由だからこそイノベーションを起こせるという部分もあるでしょうね。
大事なのは、答えを他人に求めてはいけないことではないでしょうか。
まずは、働き方の違いを知る。その上で、お金のために働きながら、お金を自分のために働かせる仕組み作りをする。仕組みが大きくなり、収入が入ってくるようになってきたら、お金のために働くのを減らすか無くすかしながら、仕組みを作るために働くことに集中していく。そうしていくと、経済的自由になれるかもしれない。
具体的に何をするのかの答えは、あなたの中にしかありません。あなたが何をできるのか、何をしたいのかは、あなたにしかわからない部分も多いんです。まあ、他人に聞いてわかることもあるんですがね。
まとめ
経済的自由というのは、魅力的な存在でしょう。
経済的自由を望むなら、「いい仕事を探せばいい」という考え方を変える必要があると思います。仕組みを自分のために働かせる方法もあと知り、「では、どうすればできるのか?」を考え、実行していく。
忘れてはいけないのは、経済的自由になっても、結局は働く必要性はなかなか消えないということです。経済的自由になっても、仕組みの改善や向上を、維持を考える必要性は消えない。世の中の怪物経営者たちも、働くことはやめていません。ただ、従業員とは働き方が違うだけ。どうしても働きたくないなら、事業を売却するなどして大きなお金を得るという方法もあるし、それを持って金利の高い国にでも移住すれば、金利による収入だけで悠々と暮らすこともできるでしょう。
働きたくないと思っていても、それは今の仕事に対する不満なのかもしれない。僕の経験から言うと、全く働かないのはつまらないです。とにかく退屈です。いくらお金があっても、遊ぶだけというのはどこか退屈でした。楽ではあるんですが。
人の性格によっては、経済的自由になったとしても、何かしらの形で働き続けることに喜びを見つけられるのかもしれません。
何にせよ、今とは違う結果を望むのなら、今とは違う自分になる必要がある。やり方を変える必要がある。考え方を変える必要がある。そういうことだと思います。