できれば、仕事で失敗なんかしたくない。でも、仕事では、それなりのことをしないといけない。ビジネスマンは、そんなジレンマを抱えていますよね。
失敗は、誰だって怖いもの。「失敗は、経験だ。」とか、「若いうちにはたくさん失敗しろ!」とか言われても、仕事で失敗なんかしたくない。
失敗したとき、他人の目が気になる。自分の評価が気になる。リストラされるかもしれないという恐怖に陥る。
仕事の失敗は、本当に怖い。けれど、仕事で失敗するのは、当たり前のこと。だって、誰だって失敗するんですから。そう、誰だって。
仕事で失敗した。なんで?
仕事で失敗した。それは、とても残念なお知らせですよね。失敗したのが自分自身なら、気分は最悪だと思います。
では、どうして失敗したのでしょうか?本当の原因、わかってますか?
仕事で失敗をしたとしても、人によっては、異なった反応を見せる。
「今回の仕事で失敗したのは、運が悪かったからだ!」と開き直る、自信満々な人もいる。「やっぱり、オレなんか・・・」と、妙にナイーブになる人もいる。
優秀だともてはやされ、自信たっぷりな人は、失敗をなかなか受け入れようとしない。ちょっと、周りからウザがられることもある。
ミスが多く、自信もないような人は、無駄にナイーブな反応を見せる。落ち込んでいても仕方ないのに。
ここで、不思議に思うことがあります。
「運が悪かった」と言う人は、何をもって「運が悪かった」なんて断言しているんでしょうか?なぜ、失敗して落ち込む人は、失敗が自分の能力の低さのせいだと言い切れるんでしょうか?
優秀なら失敗しないのか
もっとスキルを磨けば、もっと知識量を増やせば、優秀になれる。優秀になれば、失敗しなくなる。何となく、そんな風に考えていませんか?
でも、僕が見てきた限り、優秀な人でも、失敗します。優秀でも、たまに、とても簡単な失敗をすることがあります。
では、失敗する「優秀な人」は、本当は優秀じゃなかったのか?そうとも言い切れませんよね。
普段から仕事ができて、みんなからの信頼も厚い。そんな人が失敗しても、周りは、「どうしたんだろう?」と心配になることもある。
少しの失敗くらいじゃ、信頼は揺るがない。大きな失敗をすれば、揺らぐかもしれませんが。
別に、優秀なら、失敗しないわけじゃない。優秀でも、たまに失敗する。全盛期のイチローでも、たまに落球してましたし。
確かに、優秀になれれば、失敗は減らせるかもしれません。でも、たまに失敗する。もし、その「たまに」の失敗が、とても大きなものだったら、優秀な人の信頼も、揺らいでしまうかもしれない。
無能なら仕事で失敗しやすいのか
無能だと思われるような人でも、成果を出し続ければ、「優秀な人」と評価されるようになる。でも、評価というのは、実は、とても難しい。
仕事で成果を出し続けているのは、もしかしたら、契約が取れる取引先に、たまたま多く出向いていたからかもしれない。そこに、能力の良し悪しは、そこまで関係ないかもしれない。
たまたま良い取引先に多く訪問して、たまたま多くの契約を取ったとしても、職場では評価されるようになる。
結果は真実?確かに、そうでしょうよ。でも、「契約を一件取った」という真実があっても、「その人が優秀だから契約が取れた」ということには、必ずしもならない。
ビジネスには、運がある。全てが能力とかのおかげというわけじゃない。ビジネスの世界は、そんなに単純なものじゃないんだから。
無能だと思われている人が取った契約なら、「たまたま」なのか?優秀だと思われている人なら「当然」なのか?
そもそも、「無能な人」と思われているのは、たまたま失敗が重なってしまった結果じゃないのか?優秀な人も、たまたま良い結果が重なったから、そう思われているだけじゃないのか?
結果と能力を結び付けるクセは、たくさんの人が持っている。でも、結果と能力の因果関係をちゃんと把握できている人は、そんなにいないように思える。
結果が出れば優秀?結果が出なければ無能?本当にそうなの?運とかは考慮しないわけ?単純に思い込みすぎじゃない?優秀な人は、本当に優秀なの?無能な人は、本当に無能なの?
仕事で失敗したからといって、本当に、その人が無能だという証拠になるの?仕事で失敗したからといって、本当に、運が悪かったなんて言い切れるの?
考えれば、「仕事で失敗した」とか、「仕事で良い結果を出した」という結果そのものにも、多くの疑問点が生まれてくる。でも、ほとんどの人は、そこまで考えない。面倒臭いもの。
表面上の「成功」とか「失敗」とかで、他人を評価したり、自分を評価したりする。
そこに、思い込みも入り込んでくる。「優秀だ」と周りが思い込んでいる人、「自分は優秀だ」と思い込んでいる人。「無能だ」と思い込まれている人、「自分は無能だ」と思い込んでいる人。
そこに、運とか能力とかがぐちゃぐちゃに交わって、人は評価される。でも、そんな複雑な要素を考えて評価している人は、滅多にいない。みんな、目の前の結果と、思い込みでしか反応していないような気がする。
仕事で失敗しても、いちいち落ち込むこともない?
仕事で失敗したら、落ち込みます。優秀な人でも、「もしかしたら、自分は優秀じゃないのか?」と、ちょっと自信を失くすかもしれません。
でも、仕事には、運もあるんですよ。特に、営業とか、販売のような、人と会話することが仕事のようなものでは。
たまたま、変なお客さんに当たっただけかもしれない。たまたま、相性が極端に悪い取引先の人と当たっただけかもしれない。
これの悲しいところは、逆も考えられるということ。上手くいっているのは、運が続いているからかもしれない。
運とは、不思議なものです。サイコロを一回振って、6が出る確率。それは、16%くらい。連続で6が出るのは、難しいことのように思える。
でも、稀に、10回とか、20回とか連続で、6が出ることもある。確率的には、そんなに高くないかもしれません。それでも、稀なことというのは、稀に起こる。
結果なんて、そんなものなんです。でも、仕事では、確率とか、因果関係とか、運とかは、あまり考えられていない。
あなたの失敗は、運が悪かったからかもしれない。あなたの成功は、運がよかったからかもしれない。仕事と能力と結果と運あたりの因果関係は、そこまで考慮されないし、実際のところ、調べるのは難しい。
だから、信じたようにやればいいんですよ。仕事とか、ビジネスには、僕たちが思う以上に、運が絡んできている。「能力がない」とか「優秀だ」とか思い込むのは、簡単。
だったら、「自分は優秀だ」とでも思い込んでいれば、落ち込むことも少なくなるんじゃないでしょうか?
「自分は優秀だ」と思い込む。そんなとき、優秀な結果が出る。そうすると、「自分は優秀だ」と確信できる。まあ、結果と、あなたの能力の因果関係は、ないかもしれませんが。
「優秀だ」と思い込んでいたほうが、「自分は無能だ」と思い込み、実際に仕事で失敗をして、「自分は無能だ」と確信してしまうよりも、いいと思いませんか?
僕たちの脳みそなんて、そんな低レベルの代物です。なかなか、真実は見えない。でも、思い込むことに関しては、非常に優秀。
これを考えると、「仕事で失敗した・・・」なんて落ち込むのも、馬鹿らしくなりませんか?